分譲賃しのマンションに住んだ時のお話。
私たち家族は母、私、妹の女3人家族なのですが、私が5歳の時から私が高校2年生になるまでの約12年の間とても古くて狭い風呂なしの2DKのマンションに住んでいました。
とても愛着のある家だったのですが、なんせ狭いし古いしお風呂はないし湯沸かし器すらついていなかったので冬は冷水で凍えながら洗い物をするような毎日でした。
そんな暮らしを送っていた私たちに「このマンションを壊して新しい家に建て替えるので、立ち退いてほしい。」と大家さんから立ち退きの話が舞い込んで来たのです。
10年以上住んだ家、この家とともに育ったと言っても過言ではないそんな思い出が沢山詰まったお部屋、最初はとても悲しかったのですが立ち退くまでになんせ期間がなかったものですから感傷に浸る暇もなく不動産屋に通う日々が始まりました。
そして巡り会えたのがその後私たちが住む事になる分譲マンションを賃貸で貸し出している分譲貸しのお部屋でした。
当時高校生だった私は当然そんなシステムがある事も知らなかったのであまりピンとこなかったのですが、実際に内覧に行くと今までのあの家はなんだったんだ!という程の広さと綺麗さでした!
間取りは3LDKのリビングに洋室2つ和室1つの全室リノベーション済みのお部屋でした。
クロスは真っ白で部屋がとても明るく、あまりの綺麗さに家族みんなで思わず「わー!綺麗ー!」と声をあげてしまったのを覚えています。
家賃は分譲貸しということもあり、当初は9万円と決して安いとは言えない価格だったのですが、不動産屋の担当の方がとても頑張ってくださり8万円で借りる事が出来ました。
それからはもう毎日がワクワクの連続でした。
まず自分の部屋がある!私は図々しくも一番広い10畳のお部屋を自分の部屋にする事に決めました(笑)
この部屋は一番日当たりがよく冬でもポカポカしていてとても気持ちの良いお部屋でした。そして一番嬉しかったのがお風呂がある!
これは普通の方からすれば当たり前のことなのですが、真冬の時期でも凍えながら銭湯通いをしていた私たちからすればもう涙が出るほど嬉しかったです。
水周りも全てリノベーションされていましたのでとても気持ちよく、本当にそれからは家に帰るのが楽しみで仕方のない毎日を送る事ができました。
今は私たち姉妹が結婚を機にこの家を巣立ってしまったので母が一人で住むのには勿体無いという事で泣く泣く引っ越ししてしまったのですが、楽しく幸せな思い出がたくさん詰まったあのお部屋を思い出しては心が温まる日々です。